芋虫ウニウニ!人の顔したヤシゾウムシを食べる

前回のカブトムシを食べ終わったあと、友人のロイが
「さあ、次は何がいい?魚か?蛇か?なんでもいいぞ」
と聞いてきた。
ロイの田舎では面白い食材がなんでもとれるので、正直なんでも面白い。
なんでもOKと答えると。
しばらく考えて
「わかった、ついて来い」
と家から少し離れた裏庭に連れていかれた。
ん?裏庭?森じゃないのか?と思ってついていったら倒木がいくつかあり、僕はこれを見てロイが何をするかすぐわかった。
ヤシゾウムシだ。
カンボジアやベトナム、ミャンマーなどではよく食べられている巨大なゾウムシの幼虫だ。
テレビでもよく見かけるやつでデカくてウニウニしていてインパクトが強く、場所によっては生で食べる。
今回はどんな料理になるのか楽しみだ。
ヤシゾウムシはこういう朽ちたヤシの木に大量に発生するんだけど、害虫としていろんなところで問題になってる。
確かにせっかく何年もかけて育てたヤシの木がこいつのおかげで枯れてしまうので農家の人にとっては脅威だろう。
さなぎに顔が…
それにしても一日の食事のうち二回が昆虫とは・・・・
このゾウムシ、別のカンボジア人からは「ゾウムシは季節ものだから今の時期は難しい」といわれていたのであきらめていたが、あまり季節は関係ないのだろうか?
朽ちたヤシの木を少し掘るとぽろぽろ崩れ子供たちが簡単にゾウムシを捕まえた。
子供の一人がさなぎを持ってきてくれた、なるほどこういうまゆに包まれて成虫になるのか。
触るとケツがぷりぷりしてる。
さなぎの顔をよく見るとこれ、顔みたい・・・
人の顔のように見えるんだけどなんかやだ。
ああ・・ベルセルクでこんなやつ出てきたな・・・。
それにしても面白いのはこのヤシゾウムシは成虫の方が幼虫よりやや小さいことだ。
幼虫がこのくらいのデカさなら成虫はカブトムシくらいになってもいいと思うのだが、成虫は案外小さい。
それにしてもみんな楽しそうだな、
日本でいえばアユのつかみ取り大会みたいな感じかなあ。
別のカンボジア人の動画でも子供がわらわら集まってこのゾウムシを捕まえてなんだかちょっとしたイベントのようだった。
それにしても一本の木にすさまじい数がいる、そりゃ害虫だわ。
わずか30分程度で50匹以上の巨大ゾウムシがとれた。
朽ちてるとはいえ一本のヤシの木の一部にこれだけの幼虫がいるんだからそりゃ害虫だわな・・。
木の中身は食い荒らされボロボロになっていた。
もういいだろうと思ったら、ロイがさらに二本目のヤシの木まで割り出した。
いや、もうこんくらいで十分なんですけど・・・・
再び子供たちが群がる。
いつのまにかギャラリーも増えている。
結局取れたヤシゾウムシは軽く100匹は超えてる。
こんなに採って食べきれるのだろうか?
巨大芋虫、テレビでは甘いといわれていたが…
さて、このゾウムシたちをどうやって食べるのか見ていたらサッと洗って汚れを取り、ニンニクと一緒に炒めて食べるとのこと。
撮影できなかったが子供たちが洗ったゾウムシをちょくちょく生でつまんで食べていた。
このヤシゾウムシは生食可能?でなおかつ見た目のインパクトが強いので日本のテレビ番組などでもちょくちょく芸能人が食べたりしてる。
味の感想は意外とうまい、甘いといわれていたし、実際にミャンマーなどでは高級食材となってるくらいだし(1匹100円くらいする)味は結構期待できるのではないだろうか?
水洗いをしたあと、鍋に油をしく。
あれ?成虫がずいぶん少ないな・・・・と思ったら飛んで行ってしまったみたい。
そもそも硬いのであまり成虫は食べないそうだ。
油があったまったらニンニク投入し、さらにウェイパーのようなもので味付け。
そして巨大ゾウムシを投入。
うわぁ・・・
フライパンの熱に驚いたヤシゾウムシの幼虫がうごめく。
親指より太い芋虫が鍋の中で大量にうごめく。
一分くらいしても完全に火が通ってないのかまだ動いてるやつがいた。
子供のおやつ
そしてじっくりゾウムシを炒めたころ、
母ちゃんぽい女性が、「おーい、みんなできたよ~」的な声をかけると子供たちがワラワラ集まってくる。
アツアツなのでみんなハフハフしながらかぶりつく。
昔お誕生日会でこんな光景見たことあるなぁ・・、あの時はゾウムシじゃなくて揚げドーナツだったけど・・・。
みんなワイワイ楽しそうにゾウムシを食べてる。
子供たちは大好きなのか100匹以上はあったゾウムシはわずか数分でなくなった。
実食してみる
僕もとっておいたものを一つつまんで食べてみる(成虫はだれかが食べてしまった)
初めてのヤシゾウムシだけど、確かにクリーミーだ。
甘いというよりも野菜的甘みといえばいいのだろうか、コーンを食べた時にほんのり感じる甘みという感じ。
たしかに昆虫の中では特殊な味をしてる。
そして外皮はやはり硬く、コーンの皮のような感触。
ただ、味的にテレビなどで言われていたようなうまみはそこまで感じなかった。
うまい部類の昆虫ではあるのかもしれないが、味では以前食べたカミキリムシの幼虫に劣るかなと感じた。